第10話 更なる試練 少林寺?
「それではみなさん集合して下さい!」
日本人スタッフの人がみんなを集めた。
「今日から新しいレッスンに入ります!」
「おお!!待ってました!!」
「今日からはマジックの点ではなくこれを押してもらいます。ケン、プリーズ。」
するとケンは釘で小さなキズをボンネットにつけた。それは1mmもない。
何をするかと思ったら工具を持ってその1mmもない小さなキズを押し始めた。
「おいおい!嘘だろー!」
すると・・・。ビンゴ!!その小さなキズのど真ん中に工具をピッタリに当てた!!
「ゲゲゲ!マジかよー!」
関心と落胆が混ざったため息に似た声がみんなから聞こえてきた。
「では今日からこの練習にかかって下さい。」
まるで少林寺にいるようだった。
カンフーを習いに来たのにいつまで経っても雑巾がけとバケツ運びをさせられている修行僧のような気分だ。なかなかヘコミ修理にたどり着けない。
俺たちは本当にこんな事をやっていてデントリペア職人になれるのか??
本当にこれから道のりが長く感じた。
その練習がさらにつづくとやっとヘコミ修理のレッスンに入った。
今度はヘコミを自分で作ってそれを自由に直しなさいというものだ。
みんなやっと来たぜー!という表情で楽しそうにヘコミを作りはじめた。
でも数分後、その表情は一瞬にして曇った。
全くどこを押しているか分からない!今までの練習は一体何だったんだろうか?
まるですごろくの「ふりだしに戻る」を引いた気分だ。
デントリペアってこんなに難しいのか・・・。こりゃあホントにやばいな。と思った。