第2話「衝撃!デントとの出会い」
確かにすごい良いアイディアだと思った。ビジネスを立ち上げてそれをうまく軌道にのせる。そのうちに人を増やして自分が現場に出なくても回るようにする。
そんで会社にきたお客さんが「あれ?社長は?」なんて質問すると社員は「ああ、社長ならいま全日本選手権にでてて今ごろ鈴鹿ですよ。」なんて答える。
フフフ。カッコイイ 。想像しただけでもニヤけてしまう。でもいったい何の業界で商売を始めたらいいのかさっぱり見当もつかなかった。あともう1つ素朴な疑問があった。
そんなうまくいくのか!?
そんなある日、父の友人がうちに遊びにきた。彼は少し興奮気味にビールを片手に語っていた。
「いやあ、石原さんすごい感動だよ。俺のポルシェのボンネットの上にさあ、女房が物干し竿落っことしちゃってさ。あんまりにもみっともないもんだからヤナセに見積もりをしてもらったのよ。そうしたら30万円も掛かるなんて言われちゃってさ。でもどうしても気になるからどうにかなんないかって色々調べたのよ。そしたらなんと塗装も板金もしないで格安で直せる業者がいるっていうから持ってったらさ、本当にものの数十分できれいになっちゃうんだよ。しかもしかも5万円だよ!30万円が。しかも修理あとが全くわかんないんだよ。もう俺本当に感動でさ。いやあ、あそこの会社はすごく伸びるね、絶対。」
ピクンッ!僕のセンサーが反応していた。
「しかし不思議なんだよねえ。絶対に作業を見せてくれないんだよ。しかも外人が何人もうろうろしててさ。なんか外人にしか扱えないような凄い機械で真空なんかにして吸い出すのかね?」
ピクンピクンッ。
「そういえばそこ特約店を募集してたな。あれきっと儲かりますよ。石原さんやったらどうです?」
「おれ、それやります!!やりたいです!!」
気が付いたら立ち上がっている自分がいた。