第5話「わずかな光 そしてとまどい」
とにかく電話して融資してくれそうなところに片っ端から電話してみた。でもどこもすごいネガティブなリアクション。それも当たり前。だって22歳で学生だからだ。そんなのどこにいっても 貸してくれる訳がない。俺だってそんなやつには貸したくない。
そんな途方にくれているある日の事、父がすごい所を発見してきた。
国民生活金融公庫 というところだ。
ここは独立しようと頑張ってる国民に国が融資してくれるというなんとも有難い場所だ。
しかも金利がどこよりもぶっちぎりで安い!
今まで探していたところではどこも金利が安くても13%ぐらいだったのに対して国金は4%だった。
でも審査が厳しくてなかなか融資はしてもらえないという噂だった。
そこで、僕はどれだけ将来性のある仕事かをプレゼンする為に企画書を作るという作戦にでた。
こういう作業は父に相談すると完璧だった。本当に関心した。
でもなかなかすばらしい出来だったけど正直言って審査が通るとは思えなかった。
そして、待つこと数週間・・。返事がきた。なんと 審査が通ってしまった!嘘だろ!?
こんな事ってあるんだ!?
企画書には「絶対に儲かるし、これからすごく伸びていく業界です!」なんて力強いこと書いちゃってたけど、
本当は自信も確信も全くなかった。
ホントの事を言うと審査が通らなかったらこの計画は全て進まなくなってしまい諦めざるをえない状況になるので一部の不安でたまらない自分はこの審査が通らないことを望んでいた。
ところが通ってしまった!!
やばい!という感覚とやったぜ!という気持ちが混ざってすごく複雑な精神状態になった。
でももうとにかくやるしかない事だけは決まっていた。
ここでまたしても新たな選択を強いられることになった。
法人で登録をするのか個人で登録をするのかどちらにするのかという事だ。
でもはっきりいって会社の設立関係の本を読んでみたがまるで日本語に思えなかった。
さっぱり意味が分からない 。
こんなんで 本当に社長になれるのか!? 不安はさらに倍増していったのであった・・。