沖縄県 岸本さん
お客様プロフィール
お客様名 | 岸本吉史さん | ![]() |
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お住まい | 沖縄県浦添市 | |
修理場所 | 沖縄県浦添市のお客様ガレージ | |
修理日 | 2004年12月5日 | |
お車 | トヨタ カリーナ | |
購入時期 | 2007年購入 | |
修理依頼箇所 | 複数(計11箇所) | |
走行距離 | 不明 |
沖縄出張物語・・・・
今回の沖縄出張は、僕の10年以上のデントリペアのキャリアの中でも最も思いで深い仕事でした。
なぜかというとへこみを直す為に埼玉から沖縄まで出張したからです!
今回の物語は岸本さんのこんなメールから始まりました。
「すいません、沖縄出張は可能でしょうか?」
「お、沖縄ですか!?」
「沖縄にはデントリペアができる人はいないんです・・。」
それから何回かのメールでのやり取りで岸本さんのカリーナに対する愛着と情熱を 長~い文章で受け取り僕の意思は決まりました。(僕の個人的な沖縄に行きたいという気持ちもありましたが。(笑)
「わかりました!沖縄まで出張しましょう!」
こうして沖縄出張が決定しました。
慎重に工具を選んで・・・・

沖縄出張といってもただ、飛行機に乗っていくだけではありません。 それなりの準備が必要です。というのは膨大なヘコミ修理にひつような工具があるからです。どれも特殊工具なので沖縄で調達する事ができません。かといって全部持って行ったら大変な量になります。まずその工具の選定から始まりました。
「うーん。これを持っていかなくてわざわざ沖縄まで行ったのにヘコミが直せなかったら寒いしな。」
ようやく工具の選定が決まったら今度は工具の梱包です。蛍光灯などの壊れやすい工具もあるので手荷物と空輸の二つに分けました。その空輸も向こうに着いて工具がまだ送られてきていなかったしゃれになりません。
「一体、空輸にはどのぐらい日数がかかるんだろう??」
ゆうぱっくが3日と一番早く着きそうだったのでそれにする事にしました。
チケットの手配をしていざ沖縄へ出発! ギューーン!

羽田空港にて
2時間のフライトであっという間に那覇に到着!沖縄はなんと12月だというのに暖かいんです!なかには半袖の人もいました。本当にカルチャーショックでした。修理の時間に間に合わないといけないので前日に沖縄に入るスケジュールになっています。
「あんなにカリーナを大事にしている岸本さんってどんな人なんだろう?」
いろいろと妄想を膨らませながらホテルのベットで眠りに着きました。
さて、次の日の朝9時。ホテルのロビーに岸本さんがわざわざお迎えに来てくれました。思っていた通りの優しそうなしかもイケメンの方でした!なんだか久しぶりの友達との再会のようで少し照れくさかったです。(笑) 岸本さんはなんと普段足につかっているワゴン車とカリーナを使い分けていました。ホテルにはそのワゴン車でお迎えです。その時点でどれだけカリーナを大事にしているかがよーく分かりました。
十分ほど車で走ったら岸本さんのガレージに到着しました。 いよいよ、修理の開始です。見積もりでは8 8箇所の修理でしたが急遽追加で合計11箇所のヘコミを修理する事になりました。
「緊張するなー。」
10年もこの仕事をやっていますがこんなにプレッシャーがかかったのは久しぶりです。いくら岸本さんが大事に乗っているとは言え、車自体が大分、古いのと塗装も少し弱ってきているのでまるでクラシックカーを扱うような慎重さが必要でした。

所要時間、約3時間でようやく全てのヘコミを直す事が出来ました。最後に岸本さんのお友達2人を合わせて4人で地元の定食屋さんに名物の「沖縄そば」を食べに行きました。せっかくだから岸本さんのカリーナに対する思いを、沖縄そばを食べながら聞いてみようと思いました。
- 岸本さんはなんでカリーナなんですか?
- とにかくハコ型が好きなんですよ。角ばっているところがね。(笑)当時のツインカムエンジン出始めのころ、FRとしてまだ生き残っていたカローラ、スプリンターが若者に大人気だった頃、お父様をターゲットに地味に宣伝していたカリーナ。見かけは若々しくなくとも、ツインカムエンジン搭載のGT設定があり、もともとポテンシャルの高いオヤジ車。角張ったボディーラインに、引き締まった角目4灯マスク。キャブサウンドと見た目がベストマッチ!その男らしさ、渋さに惚れ惚れしてます。最高です!しかも女性には知名度もなく全く振り向きもされない車というところに、 マニアックな快感を覚えてます。カリーナを運転している時に、一番、男を感じます!(笑)ガス車専門店に埋もれたフルノーマルの赤いカリーナを発見し、即購入。登録ナシの廃車寸前のカリーナを愛し続けて11年。2度にわたるオールペン。数回にもおよぶエンジンブロー、ミッションブロー、デフブローにもめげずようやくココまで仕上げることが出来ました。今後は、今、磨き中の8J、9Jのホイルに履き替えて、もう少し不良になる予定です。
- なるほど!どの辺りからカリーナに対しての愛着が湧いてきたんですか?
- もう始めっからですね。カリーナを探してキャブを組もうと決めたその日からです。
- なんだか分かる気がします。岸本さんが語るカリーナの魅力とは?
- しぶい!の一言ですね!(爆)ちょっと不良っぽいところが好き!(笑)
- ちょっとボンネットを開けて見ただけでもかなりいじっているようでしたがこの車の改造のポイントは?
- まずクランクシャフトが純正が4AGに対して5AGが入っています。これによって1,600ccか、1,720ccに排気量が上がっているんですよ。その他にも、キャブ44φ、タコ足、マフラー、304°・288°カム、オイルクーラー、2層ラジエター(スカイライン用)、ツインプレート、5速クロスミッション、4Pデフ、車高調(前)、8段ショート(後)ピロアッパーマウント、7Pロールバー、フルバケット(2脚)、公認車カリーナのいいところは、渋いFRセダンであることかな。あとは語り尽くせませんがとにかく全てにおいて精一杯頑張ってます!

- ぎょええ!まるで化け物カリーナですね!一体、いくらぐらいかかってるんですか?
- 総額200万円は超えていますね!困るのが壊れてしまったらもう、部品が手に入らない事なんですよ。(苦笑)
- まるでクラシックカーですね。カリーナが岸本さんにもたらした幸せとは?
- まず、車庫探しからです。転勤族だったので常に困っていました。車庫の近くで子供がキャッチボールをしていたり、またその横が運動場だったりで、車を見る度にヘコミが増えていって本当にショックでした。その度に駐車場を変えていたりしたんですがとうとう昨年、その車を守る為にガレージ付きの家まで建ててしまった。(笑)
- あの家は男にとって理想の家ですよね!2階のリビングまで吹き抜けになっていて上から見下ろすと車が見える。正に車との共同生活ですよね。僕も初めて新車のバイクを買ったときはあまりにも嬉しくて台所にバイクを上げたときにはおふくろにキチガイ扱いされましたけど。(爆)でも沖縄ならではの造りですね。
- この世で一番のカリーナ好きかも知れませんね。。。。
- では日本全国のカリーナファンに一言お願いします。
- 絶滅危惧種となってしまったカリーナですが、 所有してる方は、是非あきらめずに頑張って維持してください。一緒に天然記念物を保護しましょう!残念ながら手放した方も、どこかに大事にしてるマニアがいますので、ファンであり続けてください。
岸本さんのデントリペア後の感想
昨日はお疲れ様でした。旧車マニアの友達もかなり感動していました。自分も外にもっとへこみが無いか無理矢理探し出すほど、カッパえびせん状態でした。とても不思議なぐらい、どこを治したのか分からないくらいキレイな仕上がりです。 正直、10カ所にものぼるへこみが自分の過失でない分、煮え切らないものがあって、カリーナに乗っていてもどこか気がのらないところがあって、WAXかけるたびに、
「このへこみさえ無ければ・・」
と常に思っていました。へこんだままのカリーナを他人に見られるのが嫌で、乗る回数もめっきり減ってしまい、友達には「カリーナが可愛そうだよ」と言われたこともありました。
確かに、カリーナへの愛情が薄れかけてたと思います。 カリーナが悪いわけでもないのに、冷たくしてしまったようで、反省しています。板金塗装という整形手術ではなく、デントリペアという本来の美を取り戻すエステ効果でまた美しさを取り戻すことができ、カリーナも喜んでくれていると思ってます。 カリーナのための場所も確保でき、情を注いでいきたいと思います。石原さんが言ってたように、「デントリペア」を知らないと「損」だとつくづく思いました。デントリペアを沖縄で、展開が実現できるといいなと応援してます。また、オリジナル塗装を生かすことができる、デントリペアは旧車に最適だと思います。ホントにありがとうございました!